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霊地秋天
春夏秋冬 平成2年
 秋もいよいよ深まってまいりました。
 金光で暮らすようになってつくづく感じますことは、天高く空が広いということです。
秋になると「天高く……」と申しますが、こちらの空は、ほんとうに高く、また広いのです。毎日、暁の闇の中を本部広前に参るのですが、よく晴れた日など、満天に星が光り輝いています。立ち止まってじっと眺めていると、魂が吸いこまれていくようです。
 周囲にあまり高い建物がなく、人工の照明が少ないせいもあるでしょうが、どうもそれだけの理由でもないように思われます。
 近くの竹林寺山に、東京大学の天文台がありますが、天文台を設置する場所に選ばれたのももっともだと、あらためて思いました。
 金光町大谷という土地は、東西と南の三方を小高い山に囲まれた小さな盆地で、人口も少ない町です。
 今でもそうなのですから教祖様が生きられた百数十年も前は、もっと静かで淋しい村であったでしょう。そういう土地の常として、人情がこまやかで親切な反面、お互いの目が行きわたって、窮屈なところがあったに違いありません。
 私がつくづく感嘆させられるのは、そういう狭い村の中で一生を過ごされた教祖様が、よくもあれほど広いお心をお持ちになられたものだということです。それが不思議でなりません。
 教祖様に接しられた方の一人が、参拝の帰り道お広前の方を振り返り、「生神様が天に通われる道」が見えるようだと語っておられますが、まことに教祖様は広い宇宙からこの地上にやってこられた方のようであり、そのお心は天空のように広く大きくあられたのです。
 それは結局、教祖様の出会われた神様が、そのような広い大きいお方であられたからにほかなりません。
 そういう大きな神様、教祖様を頂きながら、わが身の姿をかえり見ます時、狭い了見にとらわれ、ちまちまとした小さなことばかり考えていることに気づきます。
 「あなたがたは小さなことばかり考えている」「信心する者は心を狭くもってはならない。心を広く持て」と申されています。
 秋深まりゆく折から、大空に向かって心を解き放し、広く大きな心をもって、この世この地上での日々の現実生活を、うれしくたのしくありがたく、伸びやかに送りたいものです。
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