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変るもの、変らぬもの-その二
春夏秋冬 平成3年
 平成三年も、はやおしまいの月となった。
 国内ではバブル経済の崩壊、国外では、ソビエト連邦の大崩壊が起こった。
 わが教団でも、一月には教主が亡くなられ、代替りとなった。思えばまことに変化激しい一年であった。
 しかし、落ち着いて考えてみると、何もかも変ったのかというとそうではなく、去年も今年も少しも変らず、繰り返し続いていることがあるのである。それは、人間の世界でも、自然の世界でも同じである。
 人間の世界でも、人の目につく華やかなものほど、はやりすたりがある。今年も華やかな座を去り、消えていった人がたくさんある。人生の浮き沈みで仕方のない事である。しかし一方では、浮きもせず、かといって沈みもせず、はやりもせず、すたりもせず、地味ではあるが、この世の中に無くてはならぬ仕事に、こつこつと生きた人がおびただしくあるのである。
 世の中を引っ張るというのではないが、守り支える働きをしている人である。いつの世でも、この世の中は、そういう人たちで支えられているのである。自分だけ人より浮き上がろう、よい目をしようという生き方は長く続かない。

 おたがいが、そのなかに生きている天地自然のありようを見ても、同じことがいえる。
 自然は時として胸がつまるほど美しい、絢爛豪華な姿を現すことがある。しかし、そういう時は少ないし、長くは続かない。平凡に見える姿の時のほうが多いのである。また、美しい姿を現している時でも、その陰その奥では、地味で行き届いたいとなみが繰り返され、続けられているのである。そこに、自然というものの確かさがあり、頼もしさがあるのである。
 間もなく今年は終り、新しい年を迎えるのであるが、来年もきっといろいろなことが起きてくることであろう。しかし、たとえどんな大きな事が起きて来ても、いたずらにうろたえたり、慌てたりすることはない。自然と人間と二つの世界を通して変ることのない確かなものを信じて、おちついて生きていきたいものである。
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