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ご霊地生活一年を迎えて
春夏秋冬 平成3年
 九月に入り、野に山にそして街角や路地にも、そこはかとなく秋風が立つ頃となりました。
 ところで私が本部のご用を承るようになり、金光で暮らすようになって、八月三十日ではや一年がたちました。
 その間、この一月には教主ご帰幽という一大事があり、まったく文字通り、夢のような日々でした。毎日毎日、いろいろなことを経験いたしましたが、今のところあまり整理がついていません。きっと後からじわじわと味が効いてくるのでしょう。何はともあれ、辛かったこともうれしかったことも含めて、いろいろな経験をさせていただけたことじたいが、おおきな仕合わせであり、つまりはおかげであったのだと思っています。 
 その中から、この一年一ばん強く感じさせられたことを、今月は書きたいと思います。

 こちらにまいりました当初から、そして今でもなお、ずっと感じ続けておりますことは、「こういう仕事や経験を、先輩の方々もずっとしてきて下さっていたのだなあ」という思いです。
 自分が始めではなく、自分だけではなく、何代も前から、多くの先輩の方々が、入れ替り立ち替りここに集まっては、時代によって姿勢こそ違え、同じ意味を持つ仕事を、ずっとし続けていて下さったのかという発見です。
 そう気づきますと、苦労も苦労でなく、だんだん有難いと思えるようになってまいりました。
 ところでこのことは、べつに私だけのことではなく、皆様も、そしてもっと広く考えれば、人間はみなそうではないかと思うのです。自分が始めて苦労をし、自分だけが苦労しているように思いがちですが、けっしてそんなことはないのです。みんなその先、さらにその先があるのです。
 はるか遠い昔から、無数の人々が、その時代その時代をひたすらに生き、様々な問題にとりくみ、経験を積みかさねてきて下さったおかげで、今日の文化や文明があり、おたがいの生活があるのです。
 なんにも先人(せんじん)のお世話にならず恩恵も受けず、まったく自分だけでなしとげたといえることなど、まったくといっていいくらい無いのです。
 今月の二十三日、秋分の日には、秋季霊祭を迎えます。その日には、ただ自分の家のご先祖だけというのではなく、いま申しましたような無数の人間としての先輩の方々のことを偲び、「諸国万霊」に対して、感謝を捧げたいと思います。
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