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巻頭言

扉絵集



2018年3月号(No.795)
家族の神伝
阪健太郎


「家内中、神のことを忘れるな。何事あっても人を頼りにすな。全て神に任せよ。心配すな。世は変わりもの、五年の辛抱をせよ。とにかく、内輪きげんようにいたせ。もの言いでも、あなたこなたと丁寧に。何事もあだ口を申すな。」


  これは私にとって「家族の神伝」


 教祖様ご在世中、お上の通達により、神前を撤去しなければならないということが起こりました。それは参拝者に教えを説くことすら禁じる厳しい内容で、手足をもがれるとはまさにこのことです。非常事態にご家族の心の内は不穏なものがあったと察せられるのですが、教祖様は決して取り乱すことなく、神様に従われるように黙々とその状況を受け抜かれ、この時に神から「天地書附」が神を拝む目当てとして下げられたのです。
 すると、思わぬ短期間でお触れは解かれることとなり、私どもはこのご事蹟から、何事があっても人の知恵や力をあてにせず、心の改まりにつとめ、そこからまた一段成長させていただくというお道の生き方を学ばせていただくのです。
 以前、本誌では二月号の表紙に毎年のようにこのお知らせを載せていました。二月は行事も少ないためページに空きもあったでしょうが、それだけではなかったはずです。というのも、この時期は春からの進学、就職、異動など、家族の内に様々な変化が顕になってくる時期なのです。そこには必ずしも希望や喜びだけでなく、緊張と不安、時には失望や悲嘆、残念な結果というものに向き合わねばならない場面も少なくなかったはずです。歴代先生もお結界でご信徒のそうした生々しい心の内を聞きながら、ともに苦しみ、そしてこのお知らせを思い出しては、「心配しなくていい」「神様は氏子の身の上に無駄事はなさらない」「先を楽しむのだ」と語りかけ、励ましておられたのだろうか。古びた表紙が語りかけてくる、その祈りの意味を私も何度も噛みしめることだろう。
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