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巻頭言

扉絵集



2017年12月号(No.792)
夢現
教会長


 記念祭も目前に迫った忙しいある日の午後、ご神前でみたあれは白昼夢だったのでしょうか。それはわずか数秒のことには思えない、長い物語でした。
 いつのことか、私の身の上に何か大きな問題が生じ、教会が維持できなくなってしまうのです。教会は長らく閉鎖され、教師を辞した私達は、どこか遠くの街で暮らしているようでした。やがて時が経ち、ひとりの先生が伊勢教会にやってきます。伊勢を布教上の要地とみた本部からの派遣か、あるいは何処かの修行生が発起したのでしょうか。それからというもの、教会は息を吹き返し、たいへんなごひれいが立っていることを、私は風の便りに聞くのです。
 そこで我に返ったのでした。
 夢だったことに安堵しつつ、「やっぱり自分ではだめだということか」と私は落胆してしまいました。夢のような記念祭をお仕えできる一方で、教会運営の危機も現実めいてきているからです。
 私は尋ねたくなりました。
 「その先生はいったい何者なのだ?」
 「どうやって立て直したのだ?」
 夢に現れた先生を探し出し、教えを乞うなど不可能に思えました。でも、その時はなぜか、
 「そうか、やりようがあったのだ。それなら、その先生がやったようにやればよい。よし、やってやろう」という、それは不思議な決意が沸き起こって来たのです。
 記念祭の翌朝、講師の大矢嘉先生に御取次を仰ぐようにそのことを打ち明けると、もしや、まさか、というお言葉が返ってきました。
 「そのお方は…」
 「生神金光大神様です」。
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