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扉絵集



2018年12月号(No.804)
神様は値切らない
高阪健太郎

 「良いものを安く」耳ざわりの良いこのキャッチフレーズに買い手も売り手も踊らされて、今日の日本経済が疲弊したという声があります。確かに、良い物にはそれなりの価格というものがある筈です。
 金光教の教祖は、質素倹約に努めながらも実に潔いというか、このようにおっしゃっています。「魚たりとも入用なら十匁の物が二十目しても買え、値切ることするな」
 この教えでいくと、ほんとうに必要な物は「少し高いけど神様どうぞ買わせてください」と願って思い切って買わせてもらえますし、贅沢と思えばやめておこうということになります。なぜ値切りを諌めるかと言うと、値切ったら値切った分だけ分不相応になってしまうからです。分相応ならば値切らずとも余裕で手に入ります。値切るのは高望みしているわけで、そのぶん自分の値打ちも下がり、せっかく良いものを手に入れても身につかなくなります。そもそもそこに神様がいないのです。欲だけです。入用なら高くてもという御声に従えば、しだいに良いもので身の回りが整えられていく道理です。買い物も仕方によっては身の丈を縮めますが、神様に足してもらえば、無理をせずに丈を伸ばしていただくこともできるのです。
 しかしながら、今日のクレジットカード社会は、身の丈を超える購買欲をかきたてるのが怖いところです。来年は消費税の増税が生活に大きく影響を及ぼすでしょうが、必要なものは神様に買っていただく、買っていただける身にならせてもらうという構えで信心を進め、無理なく生活が上向くおかげをいただかねばなりません。
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