TOPページ



タイトル


インデックス

巻頭言

扉絵集



2017年6月号(No.786)
神様ファースト
教会長

 海の向こうから「アメリカファースト」が聞こえればこちらは「都民ファースト」と何々ファーストばやりですが、女性を尊重する「レディファースト」は誰しも知るところで、意味するところは何を最優先するかということでしょう。ところがその主張は時に社会に大きな分断や衝突をもたらすことがあるようです。思うにこれは夫々の立場や考え方で取りようが変わってくる、とても難しい言葉です。一口に何々ファーストと言っても、利他的なファーストもあれば、排他的なファーストもあるからです。「アメリカファースト」とは、仕事を奪われた自国の労働者たちを豊かにしたいという利他精神と、移民はいらないという排他主義の両面刷りポスターなのかもしれません。
 人間社会にあって物事に優先順位をつけることはとても困難です。人命や安全が第一と言いながら、経済的利益が優先されいのちを脅かすことがあります。ほんとうの幸せを探しているのに、天地の恵みを粗末にして、自分の欲を満たすものをかき集めています。私たちは自己矛盾の塊です。
 人はやがて死ぬのですが、生きている間につくり出された矛盾は後々まで残っていきます。世の難儀は、人間が綿々と積み重ねられた矛盾のはざまで、生きるためにその場凌ぎで辻褄を合わせようとさらに矛盾を作り出した結果です。それが「めぐり」の実相であり、私たちの生きにくさの原因です。めぐりと無関係に生きれる人間など一人もいないのです。しかしどのようなめぐりがあっても、日なたの氷が解けていくように、信心によって矛盾を矛盾としない、神様のお働きが現れ出るのです。私たちのすべきことは、自分ファーストから神様ファーストに、心の向きをあらためるだけです。すべてをおかげにしていただける安心の道です。
to Top


TOP | 伊勢教会について | 教会誌-薫風 | ライブラリ | ひろば | リンク

Copylight (C) Konko Church of ISE. All rights reserved.