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あけましておめでとうございます。開教百十年にあたる今年の干支は丁酉(ていゆう/ひのととり)です。丁は発達の終わり、酉は熟成を意味するところから、これまでの発展がピークに達する一方、新たな機運が熟して発する年と言われています。英国のEU離脱やトランプ米大統領の登場などは、そうした兆しの現れかもしれません。教会においても、様々な動きの中に、そうした変化が起きつつあることを肌で感じます。 ところで、丁酉の丁の字を含む言葉のひとつに「丁寧」があります。「実意丁寧」を旨とする私たちお道の信奉者には身近な言葉ですが、語源を辿っていくと、丁寧は、昔、中国の軍中で、警戒の知らせや注意のために用いられた銅製の打楽器で、これを何回も全員に伝わるよう念には念を入れて鳴らしたことから、細かいところまで行き届いているさまを丁寧というようになったそうです。いまのような放送設備があるわけでもなく、なかなか伝わらなかったでしょうけど、だれひとり見捨てないという思いやりと心配りがそれを補っていたと想像します。 翻って今日では、個人個人がネットでつながり、いつでもどこでも誰とでも簡単にコミュニケーション可能になったというのに、孤独な人々はむしろ増えているようですから、誠にもって行き届かない世の中です。そうした時代にあって、私たちにできるのは、実意をもってすべてを大切にする和賀心の鉦を打ち鳴らし続けることです。 皆様におかれましては、伊勢教会開教百十年の今年をご時節といただいて、世界を助けに出られた天地金乃神様の御神願が、助かりを願う人々の心に遍く伝わり、益々神様のお役に立てるよう、それぞれの願いの上におかげを蒙られますことをお祈り申し上げまして、新年のご挨拶といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
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