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扉絵集



2016年10月号(No.778)
ホームベース
教会長 高阪健太郎

 二十五年ぶりのリーグ優勝を果たした広島カープ、その本拠地マツダスタジアムは、日本の野球場にはない幾つかの特徴を備えています。その一つが、ホームベースから投手板を経て二塁を結ぶ線が東北東に向かっていることです。これは、内野席の観客が直射日光に晒されないようにするため、公認野球規則でも理想とされていることで、メジャーリーグのスタジアムでは殆どがそうなっているようです。興行の観点からはそれが望ましいでしょう。ちなみに、この場合、守備につく野手達の左腕が南側になります。そこから左投げのことをサウスポーと呼ぶようになったらしいです。
 では、日本の球場はどうなっているかというと、ほぼ南向きになっているものが多いようです。かの甲子園球場はもちろん、わがまち伊勢の倉田山公園野球場もそうです。これはスポーツが教育目的から普及してきたこともあり、守備につく選手達の目を直射日光から守るためなのだそうです。同じ野球場でもどこに視点を置くかによって建て方が変わるのですね。天候に関係のないドーム型球場ともなると、もういろいろです。地形はもとより駅からのアクセスや商業的な理由も加わってくるのでしょう。
 このように考え方は様々ですが、世界のどこであれ、野球場を造るには、ホームベースをどこに置くか、それを最初に決めなくてはいけないことは確かです。家を建てる時に、先ず神をどこに祀るかを考えるようにすれば、後はうまく治り家も繁盛できるとの教えのようなものです。広い観客席、芝もきれい、照明も明るい、でも後になってホームベースはどこに置こうか?…では話になりません。デザイン決定後に聖火台がなかったことが判明したどこかの国のオリンピック会場をめぐる混乱が記憶に新しいですが、この頃はそういうことが多くなった気がします。
 人間は神の氏子、神様がホームベースです。何事にも先ず神様にお出ましいただかないことには、道理にかない成就する道はついてこないのではないでしょうか。

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