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扉絵集



2018年6月号(No.798)
心の重力
高阪健太郎

 重いものでも軽いものでも同じ速さで落ちるというのは、考えてみれば不思議な現象です。持ちあげられないような重いバーベルと指先で軽く持てるほどのボールペンがなぜそのようになるのか。それは慣性質量と重力質量は等価だから(全ての物体は動かしにくさと重力のかかり方が等しい)ということです。
 つまり、「重いもの」は動かしにくい分、大きな重力がかかる。「軽いもの」は動かしやすい分、小さな重力しかかからない、ということになるのです。なんと美しい自然の調和でしょうか。
 さて、私たちは日々起きてくる事柄にも大きい小さい重い軽いの区別をしてしまいがちです。些細なことだとみると、「このくらいのことなら神様に願うまでもない」と神様を押しやってしまうのに、ちょっと難しいなと思うと神様にすり寄り、問題が大きすぎると「いくら神様でもこれは無理だろう」と神様を手放してしまうのです。
 神と人との間にも先述の法則はあてはまっています。
 大きな問題はどうにもならないように見えるけれど一心に願えば、何とかなるどころか願った以上におかげをいただくのです。しかし、小さな問題だと軽く見て願いが抜けると、思ったよりおかげが遅かったり、そのことがおかげにならないということがあるのです。
 心にも何か重力のようなものがあるのかもしれません。それなら信心の進んだ人がちょっとやそっとのことで動じなくなるのもうなずけます。一心の願いによって生まれた重力が神と人とを引きあわせるからです。
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