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在籍輔教 岡田典明
命のバトンは信心から -94-


 歴史を学ぶ意味について述べてまいりましたが、今年(2017)は、日本の歴史にとって重要な記念すべき年でありました。それはなにかと申しますと、徳川幕府が大政奉還してちょうど百五十年になるからです。これはあまり話題になっていませんが、歴史に関心を持つ者にとっては、極めて意味のある年です。幕府が朝廷に政治の大権を奉還(お返し)するという 歴史上の大事件は、1603年に徳川家康によって開かれた、江戸幕府の終焉というばかりではなく、実はもっと重大な意味を持つ出来事であったのです。ここまで申しますともうお気付きの方もあろうかと思いますが、そうです、この大政奉還という事実は、鎌倉に幕府を開いた、源頼朝以来の武士政権が終わったということです。その前の平氏政権も加えるとすれば、およそ七百年に及ぶ武士による政権が、ここに終わりを告げたということになります。
 そして、この年からちょうど四十年、伊勢教会が誕生し、それからさらに百十年経た今年、開教百十年のお年柄を迎えたわけです。どちらも歴史の重みを考えずにはおられない、大切な年であったと思っています。
 さてもう一つ、伊勢教会にとって忘れてはいけないことがあります。二代教会長高阪正太郎先生の四十年のお年柄でもあるからです。昭和五十二年の十二月の初め、三歳になる長男を連れ、伊勢市民病院に入院中の先生をお見舞いしました。“おじいちゃん、がんばって”との幼子の呼びかけに、にっこりと笑顔を返された情景が、今もはっきりと思い出されます。その十数日後の、十二月二十一日にお国替えされました。教会に帰られた先生(そのときの私にとってはかけがえのない祖父)の体を、日本橋の叔母(和子先生)と二人でお清めさせていたことは、私にとって終生の思い出となっています。…。
 ここまで書いてまいりましたら涙が止まりません。後は、松太郎先生がおまとめになりました『高阪正太郎遺教集』の中から正太郎先生のご信心に大きな影響を与え、伊勢教会の信心の歴史の基ともなった言葉を紹介します。
 『一筋の 道起伏あり 風薫る』
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